現実離れした判決(?)と再発されない(?)と個人的に思うのは以下のものです
武富士相続税
簡単に書くと外国に5年以上住所がある人に財産を贈与すれば贈与税がかからないのですが、実際にすんではいるものの、すむこと自体に脱法の意志があり、合理性が無いため、日本に住所があるものとみなして課税したのですが、裁判所にその課税は無効といわれたということです。
常識ある法律家ならこの判決は当然というでしょう。租税法律主義という観点もわかります
租税法律主義
しかし、子供が海外にいるのは租税回避が主目的と裁判所が認めておきながら国税庁敗訴はつらいものがあります
租税回避
微妙な判断を伴うところもあり、この辺は裁判を担当した裁判官のさじ加減ひとつでしょうね
ではなぜ今回のような判決が出たのか?裁判所は法律にのっとった判断をするからでしょうか?
(以下完全に私見です。特に裁判所の関係者の方はご了承ください)
残念ながら違います。私が思うに
1.租税法律主義を貫く裁判所をアピールする絶好の機会だった
2.今回のようなケースは負けたとしても今後の課税業務に差し支えない
3.同じようなことをしている人はほかにたくさんいるのに武富士だけではかわいそう
1は言ってしまえば純粋な法律論で言うと国税庁は負けるべきだったという意味です
3は実際に多数います。ほんとに多数いて国税庁も毎年数百人も同じようなことをしていることを知ってます
(だったら武富士だけではかわいそうですよね)
ちょっと面白いのは2のところで、租税回避であっても法人税の租税回避だったら許されなかっただろうというところです。
どういうことか?というと今回の武富士については租税回避で国税局が負けたとしても法律を変えれば今後に影響しません
しかし、法人税の租税回避のパターンを認めてしまえば、雨後のたけのこのように追随する人が現れるため認めないでしょう。租税回避というのは無数に手段があって、その手段を法律ですべて記載するというのは不可能なためです。
経済的実態みた課税処分を国税庁をしているが、裁判所は経済的実態を無視して課税法律主義を貫く。
(国税庁も経済的実態、条文解釈、立法趣旨など都合のいいほうを使い分けたりしますしね)
国税庁を敗訴にするには影響の少ない相続税であることが望ましい
そう考えると非常に現実的な判断をしたとは思います。(皮肉じゃないですよ。本当に裁判所はよく考えているということですよ。)