アリとキリギリスという物語はおそらく誰もが知っていると思います。
アリとキリギリス
まじめにこつこつ働く大切さを子供に教えるイソップ童話として教えるにはいい教材と思います。
とはいえ原作ではキリギリスは寒さに震えて凍え死んでしまいます。
そこでディズニーがリメイクして、アリは食料を上げる代わりにキリギリスはバイオリンを演奏してお返しをするというストーリーに変わり、アリは人(キリギリス?)助けをするという道徳的なものになりました。
というのが普通の考えなのでしょうが、この改変は実にアメリカ人らしい改変なのかもしれません。
どのあたりがそうなのか?というとアメリカ人はこつこつ働く人とその人に寄生して生きる人というのがある程度はっきりしていると私は思うからです。
寄生するというのは悪いように聞こえますが、こつこつ働く人にはできないことを提供することで飯を食べる。いってしまえばサービス業は往々にしてそのような面があります。
今回のケースではキリギリスは夏遊んでいるように見えて、実はバイオリンで飯が食えるほどの腕前になったのかもしれません。(まじめに働いている人はバイオリンの練習できないですよね)
そう考えると一見遊んで暮らしているキリギリスはエンターテイナーとしての努力を日ごろからしてたともいえます。
翻って税理士というのはアリとキリギリスのどちらに近いか?
税理士はバイオリンを弾いてお金をもらうわけではありませんが、税理士は申告書という生産という観点からは価値がないものを作ってお金をもらいます。そういう意味でキリギリスに近いのではないか?と私は考えております。
ゆえに税理士というキリギリスはエンターテイナーとして活動することが重要だと思います。
もちろん税理士は遊んで暮らしてバイオリンを引くということではなく、会社の経営状態、社会情勢や経済情勢などについて経営者に役に立つ話を提供するというのが重要ではないのか?ということです。
これらの情報を提供するためには日頃から仕事とは関係ないところに時間を使うことになります。
とはいえこのように考える税理士は少ないようで、税理士事務所は税務の申告書作成のみに注力すればよいと考えている事務所が多数だったりします。そうなれば申告書作成以外の知識については役に立たないと考えます。
またそのような人であれば申告書の作成も会社が存続するからには必須であると考え、税理士はアリであると考えるタイプに多いのではないかと思います。
つまり税理士はアリかキリギリスか?というのは税理士本人の仕事に対するスタンスによって異なることになるのでしょう。
私はキリギリス派の税理士と考えていますので、凍え死ぬことがないよう一芸を身につけたキリギリスになりたいものです。