日銀による多角的なレビュー

 日銀総裁に上田氏が就任して、金融政策決定会合により当面現在の金融政策を維持するということで、株式市場を中心に安心感が広がり株高になっています(企業決算の来季予想もまずまずというのはありますが。)

 この辺までは私も予想通りでしたが、会見でデフレに陥っているこの25年の金融政策についてレビューを一年半かけてやる。というのは、ついに日銀自身でこんなことができる時代になったのかぁ・・・と感慨深いものがあります

・過去の間違った政策の問題点を日銀自身が省みるという点

→私としては、三重野(1989年12月から日銀総裁)から始まった金融政策をレビューすべきでは?とは思いますが・・・レビュー期間を25年としたのは、明確に日本経済を衰退させてきた速水(1998年12月から日銀総裁)からに集中することにしたのだろうと思われます

・なぜ一年半も?

→間違った金融政策を行っていた。という結論はもう見えているのですが、1年半もレビューする必要がどこにあるのか・・・学者ではない私では正直わかりません

 日銀の政策などいちいちレビューせずとも、ベン・バーナンキ(後のノーベル経済学賞、FRB議長)は、日銀はジャンク(クズ)と言っているし、ポール・クルーグマン(後のノーベル経済学賞)は、日銀は対応が遅すぎる。と当時からすでに非難しているので、レビューって何をするんだろう?と思います。

https://tanakahidetomi.hatenablog.com/entry/20120426/p3

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000005007.html

 ノーベル賞授賞者の発言だからといって絶対の正義のように崇める必要はないとは思います。確かに学者としてレビューするというのは重要な視点かもしれませんが・・・

 結論が出ているものを一年半もかけてレビューするのは純粋経済学的にはあまり意味がないですが、日銀自らが経済理論に反した金融政策を行っていたと発表するというのは歴史上行ったことはありません。

 であれば、どんなに簡単な理屈であっても、今まで誰もできなかったことをした。という点で素晴らしいものだとは思いますが・・・残念ながらノーベル賞にはノミネートされないとは思いますw

(これは二次大戦のドイツの歴史書の話ですが、時間をかけてレビューするってこんな気持ちになってしまいそうですが)

 PS.別に日本の中央銀行総裁だけが無能というわけではありません。アメリカの中央銀行にも無能と評される総裁はいました(1970年代の総裁であったアーサーバーンズ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BA

 ただ、無能といってもニクソンショックからのオイルショックという難しい時期の金融政策を任されたり、失敗したといっても過度なインフレを数年起こしたからなので、何もない25年以上デフレを起こし続けた日銀に比べれば、やむを得ないところもあったしその後の影響はマシだったりするのですがね・・・

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